運用は適切な対応力や素早い判断力が必要
システム運用に必要なスキル
システム運用保守の仕事に関わるようになると、扱っているシステムによって運用や保守のプロセスがまったく異なることを理解します。管理がしっかり行き届いている現場であれば、システム運用の手順を記したマニュアルのようなものが用意されている場合もありますが、そのようなものが一切用意されていない現場のほうが多いというのが現実です。そこで考えておきたいのが、自分なりの基本的なシステム運用マニュアルの作成です。自分だけが見るマニュアルなので、自分が必要だと思うことを盛り込んだ内容にしておきましょう。そうすることによっていざというときの対応力がさらに強化されていきます。
技術的なバックボーンの有無は重要
システム運用において適切な対応をしていくためには、システムについての技術的な知識が欠かせません。例えば、Linuxを使用したシステムの運用なら、Linux系の知識や経験が必ず役立ちます。効率的にシステムを運用していくなら、シェルプログラミングやスクリプト系言語のスキルが役立つでしょう。システム運用において必須に近いスキルとしては、ネットワーク系のスキルです。技術面の知識があれば、トラブルが発生した際にも素早い判断で適切に対応できるようになります。すべてのスキルを一度に身につけることは難しいので、基礎的なことから順番に知識を広げていくようにしましょう。
顧客の目線で考える
システム運用で注意したいのが、運用するシステムだけをただ注視してしまうことです。大切なのは、顧客のビジョンについてしっかりと理解し、ITを通して顧客が実現したいことについての意識を共有しておくことです。そうすれば、問題が発生した際にどのように動けばいいのかを適切に判断できるようになります。
トラブル発生時が本領発揮のとき
システムが順調に運用できている間は、運用担当者の仕事もマニュアル通りの穏やかなものです。しかし、システムになにかトラブルが発生するとそれまでのペースが一気に崩れ、順調だった流れが突然ストップしてしまいます。そんなときこそ、システム運用担当者の問題解決力が発揮されるときです。発生した問題を素早く切り分け、適切かつスピーディに対応していくスキルは、システム運用をスムーズに行っていくためには欠かせません。自分ひとりですべての問題に対処しようとせず、対処可能な人材を適所に配置するという判断も必要です。トラブルの種類によっては、すぐに解決できない場合もあるでしょう。そのような判断も含め、的確な判断のもと迅速に行動することが、発生したトラブルによる傷を最小限におさえることにつながります。